兵庫労連

兵庫県労働組合総連合(兵庫労連)は「働きがいのある、人間らしい仕事(ディーセントワーク)」の確立、地域経済・雇用・社会保障を守るための活動をしています。〒650-0023 神戸市中央区栄町通3丁目6-7 大栄ビル10F  TEL 078-335-3770 FAX 078-335-3830 rorenhyogo@shinsai.or.jp   “ひとりじゃない”相談するという選択 フリーダイヤル 0120-378-060 相談無料・秘密厳守 月~金12時~18時(土日祝日をのぞく)

ものごとの焦点について

交通事故と園児の死亡

 昨日、滋賀県大津市で車両事故があり、その際に道路を歩いていた園児の列に車が突っ込み、16名が救急搬送。内、2名の園児が亡くなったと報道があった。さらにその前には兵庫県神戸市でバスが歩行者の列に突っ込むというニュースが。

 ニュースを見ていると、毎日のように交通事故で複数の方が亡くなっている。

 なぜこの記事を書こうかと思ったかと言うと、TwitterFacebookなどのSNSでは既に話題となっている内容ではありますが、事故後の会見の件である。悲しみに暮れる園長に対し記者からは、「園児たちはどんな様子で出ていったのか。いつもと変わらない様子だったのか」「危険な場所だという認識はあったのか」「園児たちにどういった声をかけてあげたいか」という質問が矢継ぎ早に出たとのことだが、園長は堪えきれず泣き崩れる姿が映し出された。

 二つ目の質問、「危険な場所だという認識はあったのか」この質問は本当に適切なのでしょうか?ネット上にはすでにグーグルストリートビューアーに映し出された、歩道の一番後ろでまとまって信号待ちをする様子まで見られている。非常に見通しの良い場所でもある。障害物で曲がった先が見えないなんてことは全くない道。

 道路のある場所を歩くからこと保育士も細心の注意を払って園児をまとめて、予防に努めていたと思う。

 報道、社会の概ねの目は、保育園の安全管理について指摘する声が多くあると感じる。しかし、事故が起きた本質的な問題はそこではないと考える。保育園にそのような質問をするなら、運転手も記者会見に出てその時の状況を説明する必要があるとは思わないでしょうか。事故を起こし、被害者を出してしまったのは罪に問われるであろう。今現在は車に搭載されていたドライブレコーダーから検証が図られているとのこと。

 ではなぜ事故が起きたのか?突き詰めるならば、ドライバーの健康状態、精神状態、就労状況も考慮しなければいけないと思う。日本の労働は非常に酷であることは言うまでもない。長時間労働、休みもまともに取れず、疲労が蓄積している状況。その中で、日常的に車が必要な生活であれば当然運転するであろう。疲労やストレスは注意散漫常態に陥る。結果、事故が起きる。ということも考えられるだろう。これは、神戸のバス事故にも、日本中で起きている事故にも当てはまるものだと思う。

 じゃあ、そういう状況で車に乗らなければいいじゃないか。という人がいるであろう。しかし、休みがなく限られた休みの中で当然しなければいけない生活に必要な手続き等があれば出かけなければいけない。タクシーは当然お金がかかる。公共交通機関が発達していなければ車は必ず必要となる。車に乗るのが仕事であればなおさらである。

 報道の中であれだけ園長の記者会見をに中心に取り上げ、さらには質問の内容がナンセンスであれば、日本人の多くはそちらばかりに注視してしまうと思う。報道側の質問の仕方の如何によってものごとの焦点は大きくずれてしまうこともある。個人の捉え方でも大きくずれる。広い視野で全体を把握するということが必要だと思う。

 さらに言えば、やはり日本人の働き方についても考えなければいけないのではないかと思うわけです。

 

★兵庫労連(兵庫県労働組合総連合)
〒650-0023 神戸市中央区栄町通3丁目6-7 大栄ビル10F
TEL:078-335-3770 FAX:078-335-3830
mail adress:rorenhyogo@shinsai.or.jp
★兵庫労連・労働相談センター
“ひとりじゃない” 相談するという選択
0120-378-060 相談無料・秘密厳守
月~金12時~18時(土・日・祝日は休み)