兵庫労連

兵庫県労働組合総連合(兵庫労連)は「働きがいのある、人間らしい仕事(ディーセントワーク)」の確立、地域経済・雇用・社会保障を守るための活動をしています。〒650-0023 神戸市中央区栄町通3丁目6-7 大栄ビル10F  TEL 078-335-3770 FAX 078-335-3830 rorenhyogo@shinsai.or.jp   “ひとりじゃない”相談するという選択 フリーダイヤル 0120-378-060 相談無料・秘密厳守 月~金12時~18時(土日祝日をのぞく)

65歳を超えて働きたい。8割の方がそう思っている?

これは真実なのか?

 安倍首相は「六十五歳を超えて働きたい。八割の方がそう願っておられます。意欲ある高齢者の皆さんに七十歳までの就業機会を確保します。」と言っています。みなさんはいかがですか?

 この文章を見たときに、年金問題等を抱えて老後生活していくことが困難だから働かなければいけない。だから定年や再雇用を終えても働きたいという意見が出るのではないか?と思いました。ぼくは老後は仕事しなくても、それまで働いてきた分をゆっくり過ごしたいと思います、、、

 厚生労働省が2019年7月30日に公表した簡易生命表によると、2018年の日本人の平均寿命は男性81.25歳、女性は87.32歳で過去最高を更新したとありますが、生きてはいますが健康で働ける状況であるかは別です。認知機能の低下等が原因でトラブルが起きれば責められる。でも働かなければ生活をしていくことができない。なんてことにもなりかねないわけです。寿命と健康寿命は別の物であると考える必要があります。

 直近の健康寿命としては、2016年で男性が72.14歳、女性が74.79歳となっています。

 健康寿命とは、「健康に自立した生活を送ることができる生存期間」を指します。WHOの定義では、「日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間」とされています。数値を見れば一目瞭然で、平均寿命と健康寿命の差は大きく、伸び率も低いわけです。

 健康な人がいないとは言いません。働けるほどに健康な方は実際にいます。が、人間の身体は少しずつ悪くなっていきます。最後まで健康でいられることはありません。例えば動脈硬化という病気についてもそうです。血管はよくゴムに例えられます。新しいゴムは伸縮性も良く弾力もあります。しかし時間が経つほどにゴムは堅くなりボロボロになりちぎれてしまいます。血管も同様です。そして動脈硬化が起きれば心筋梗塞脳梗塞のリスクが飛躍的に上がります。そうやって少しずつ身体は衰えていくようにできているのです。その早さは生活環境等で差はでますが、いずれ、という意味では変わりません。

 人間の避けられない健康寿命を含めて、働く環境についてもっと真剣に考えていかなければならないのではないでしょうか?働きたい方は働くことを止める必要はないと思います。が、基本的には生産年齢人口を維持するための政策を行う必要があると思います。幼児教育政策や出産に関わる制度の見直し、産科医を増やす政策(労働条件・環境等)、結婚し子どもを産み育てることができるだけの賃金や労働環境の確保など、、、もっと他にもたくさんありますが、、、ぱっと思いつくだけでもこれだけあります。

 個人的には、産科医の労働に関しては特に最近注目しています。兵庫県内の病院でも産科医の確保が困難で働いている医師の負担が大きくなり辞めてしまうという負の連鎖を断ち切ることができず、産科病棟を閉鎖するなんて話も出ているくらいです。補足で言うと、消費税増税により病院の経営のダメージは比になりません。その中で診療報酬の削減を受け閉鎖に追い込まれる病院もあります。地方の病院では経営改善も含めて近隣病院との統廃合を許容する構えのところもあります。統廃合ということは地方では移動が困難な中で更に利便性の悪い地域に病院が建つことになり医療難民が増える可能性もあるでしょう。

 政策により国立・公立病院の統廃合が示唆されていますが、統廃合すれば、例えば500床の病院と400床の病院が一緒になっても500床しか作らないといった計画にもなっています。入院して治療を受けられる余裕がなくなってくるわけです。また、それぞれの病院で働いている職員も次の職場に移れるなんて保障はありません。一部の職員のみ移るといったことが既に起きています。

 少し話はずれてしまいましたが、寿命だけで働けるという判断はできないこと、現在も外国人労働者の手が必要なくらいに労働者人口が激減している中、それに対する対策を定年の延長ではなく次の世代に繋ぐための政策をしなければいけないこと、こういったことを考えていかなければいけないのではないでしょうか。

 とにかく私は老後はゆっくり余生を過ごしたいです、、、

★兵庫労連(兵庫県労働組合総連合)
〒650-0023 神戸市中央区栄町通3丁目6-7 大栄ビル10F
TEL:078-335-3770 FAX:078-335-3830
mail adress:rorenhyogo@shinsai.or.jp
★兵庫労連・労働相談センター
“ひとりじゃない” 相談するという選択
0120-378-060 相談無料・秘密厳守
月~金12時~18時(土・日・祝日は休み)