10月30日に結成集会をしました
日中・日ベト友好協会兵庫県連合会やNPO法人日越交流センター兵庫、兵庫労連などの複数の組織で外国人労働者の労働環境改善、権利を守ることを含め、『外国人労働者支援兵庫県連絡会』を結成しました。
30日は結成集会を行い、諸団体や大学生など一般の参加も含め多くの方が参加されました。会場はテーブル席が埋まり、後方の固定椅子も埋まりそうなほどの勢いでした。
特別報告として浄土宗僧侶・日新窟寺務長の吉水 慈豊さんから「日越ともいき支援活動」についてお話していただきました。ベトナム人僧侶のティック・タム・チーさんとともにNPO法人を設立し、技能実習生・留学生など在日ベトナム人の方の命と人権を守る活動を行っていらっしゃるとのこと。
講演は連絡会のメンバーにもなって頂いている、神戸大学・国際協力研究科・准教授の斎藤 善久さんから「外国人労働者問題を考える」と題して技能実習制度の問題点などについてお話していただきました。
2019年4月に改正入管法が施行されました。特定技能1、2などの新たな資格を設け見栄え良くなったものの、結果的にはその制度は全く利用できないものとなっており、外国人労働者の実態の改善にも繋がっていません。
ベトナムから日本に来る際に、いわゆるブローカーが介入して借金をしなければいけない。それでも日本という国に希望を持ち、日本人の優しさなど国民性を信頼してきたものの、その実態は希望や信頼を破壊するほどの悪い状況となっています。
労働面においては長時間労働(7:00~22:00、休憩は昼に15分・夜に30分でその時間内に食事を作って食べなければならず、トイレは3時間ごとに決められたタイミングでしか行けない。)やハラスメント、強制帰国をちらつかせた脅迫などが当たり前となっており、ある技能実習生は仕事中に倒れ、脳内出血を起こすなどの事例も起きています。これだけの労働にも関わらず、低賃金であり、かといって転職の自由が認められていないため、そういった労働が拒否できない状況にもあります。生活に於いても、会社・企業が準備する宿舎に住まなければならないため、生活の全てを管理・支配されていること、不当に高額な家賃や水光熱費を設定されても交渉すらできない。そういった状況から、緊急避難的にその職場から「失踪」する以外に方法がないのが実情です。
過去にもこの件については記事を書いていますので参照ください。
この外国人労働者の問題は根本は労働基準法に違反する労働が行われていることが当たり前となっていることです。斎藤先生はシェルターへの避難など技能実習生からの連絡に対しての活動をされていますが、相手からの直接的な暴力、なんらかの報復、住居侵入罪、不退去罪、もしくは脅迫罪や恐喝罪に問われたりする危険性もあります。だからこそ、法的に違法労働をさせている会社と対等に話しができるのは労働組合でしかないわけです。
日本の現状としては労働者の人口が減少し、外国人労働者がいなければ人が足りないという現状があります。今後も外国人労働者はどんどん増えていくと思います。この支援連絡会が今後どのような活動の広がりになるかは分かりませんが、一つ一つの労働相談に対応し、外国人労働者の方が安心して働けるよう、またこういった問題を解決できるように関わっていけたらと考えています。
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